あめのなつ

 

 

恥ずかしいからいつまでも言えないんだと思う、愛してるだなんて、君がくれた雨の夏、色彩はグレーに近かったけど時々点滅して、朝が起きれないわたしが厚底でこけてしまったときとか、いつでもかわいい笑顔を思い出して、電話、きみのこと、わたしのはなしなんてきみからしたら幼くて拙い内容かもしれないけれど、一生懸命に反応してくれていた。

誰かを想って泣くことが久しぶりすぎて、風呂場で暑いのか寒いのかわからなくなってしまった。号泣しながら、わたしは誰かのことを想って泣くことのありがたさを、ぽっかりしたなにか、解けない謎が解けたような気がして、泣き笑いみたいに風呂場で崩れた、ママが泣きじゃくるわたしに困惑しながらそっと頭を撫でてくれていたが、泣くことしかやはりできないのだった。