私たちは何があっても天使だった

 

19歳の時、自分が本当に天使だと思えた瞬間があって、鮮明に覚えている

 

古着屋で買った小花が散りばめられたデニムの半袖のロングワンピース、黒髪ロングで、真っ黒いアイシャドウをしていて、ベランダで濃いめのカルアミルクを飲んで、キャメルを吸っている時だった

不意に飛べる気がするくらい幸せな気持ちになって、どこまでもいけると思った。

 

私と友達はみんな天使で、本当はこんな世の中にいるべきじゃないと思った

ちっちゃな部屋から飛び出し、もっと大草原で走り回ったり、果実をかじって瑞々しさに幸せを噛み締めたり、するべきなんだと思った

その気持ちを久しぶりに思い出せた。

 

20までに死のうと中学の頃から意気込んでいたから、19の時は本当に怖いものがなかった

愛した人に嫌われてしまうこと以外、何も。

結局生き延びて21の秋、この文章を打っているわけだけれど。

感覚が鋭くてすぐぼやかそうとする癖があるけれど、そんな必要はないんではないか

どんなにぼろぼろになっても自分を側で抱きしめてあげられるのは自分なのだから、感じたことに嘘をつかず、どれだけ泣いてしまっても、薬やいろいろなもので、今日見た花の鮮やかさを忘れたくない。

黄色の菊に似た花、透明な幼虫を今日見た、

その時そんなことを思い出した。