2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

なにもない

どんなに君が迫害されようとも、ずっとそばで涙を堪えて居たい。悔しくて唇を噛みすぎて血が滲んでも、なかったことのように笑って居たい。 そんな気持ちは誰にも言いたくなくて、そんな願望があることも黙って、日々の平坦な暮らしをこなしていって、あっと…

暮らし

全て無くなればいいと思っていた夜中にきみから連絡が来れば、ちょっとまあ無くならなくてもいいんじゃないかなあという気持ちに成れる。 穏やかであり、毎日に不満はないしその有意義かつ贅沢な暇を、私は愛している。 刺激的な日々など要らないのです。コ…

16歳

「全てを差し出したところで、君は、君が、ぼくの物になってくれないことぐらい、馬鹿なぼくでもわかります。君が神経質であほらしいことで悩んでる間、ぼくは目一杯君の背中のながれ、流れってのはおかしいのかな、ながれみたいなものをみて、勃ってしまい…

幸せにならないでくれと願う時に浮かぶ顔が年々変わっていく、それは暴力のはじまり。 わけわからない不安に押しつぶされそうになる 誰かと一緒にいる愉しみを知ってしまったからには。 氷の音、電灯の光、赤信号。

20200813

彩度が低く、彼に似合う部屋だと思った。 全体的にコントラストも低めで、必要最低限のものと蔵書が置いてある、おもちゃ箱やびっくり箱のような私の部屋とは正反対で、部屋に性格が出るとはこのことだなあと思い、そろそろと椅子に座った。 熱帯夜とも呼ば…

せいぜい

僕の事だけ照らさないネオンの光、呼吸がしづらい20時、あの日に抱きしめた猫のこと、教えてくれよなあ 仕方ないとため息をついて髪の毛を撫でられた、そんなことで軽率に生き延びてしまった 夏の溜息みたいな夜風、染みていく傷痕と残滓、罪の深さ、君が教…

それについて貴方は

墓場に軽い気持ちで入って行く行為、は普通に考えたらタブーなのだろうけど、わたしはのそのそと墓場に入って行く彼の背中を追いかけて、「無断立入禁止」の看板を横目で見つつ、セミの鳴き声の連鎖にやられ、ふらふらと付いて行った。 「お盆になると霊界と…

無題

虫の羽音、異様なまでに黄色くひかる月 不確かな感触、ぬめりの取れない心 へこんだペットボトルと遠くの山が 何も必要ないとおもっていた。世界にはじぶんひとりの感覚がしていて いつも蚊帳の中で一人、優雅に寝ている気分だった。誰もいない女子寮の廊下…