20200813

 

彩度が低く、彼に似合う部屋だと思った。

全体的にコントラストも低めで、必要最低限のものと蔵書が置いてある、おもちゃ箱やびっくり箱のような私の部屋とは正反対で、部屋に性格が出るとはこのことだなあと思い、そろそろと椅子に座った。

 

熱帯夜とも呼ばれそうなくらい蒸し暑い夜だったが、彼の部屋の簡素さのせいかそこまで暑さも湿度も感じなかった。薄暗い部屋、窓から入る街灯の光だけが横たわる二人を照らしていた。それだけだった。

 

いびきが酷くて俺は眠れなかった、と朝開口一番に言われ申し訳ない、と所在無さげに告げた。そもそも2人とも人といるのが苦手だのに、お互い一緒に居たいという気持ちとどうもバランスがとれずいつもなあなあになってしまう。しかしながらいつも冷静な彼が後ろから抱きしめてきた瞬間、意識があって良かったなと思った、うとうとし、彼の重みを感じながらわたしはひどいいびきをかいていたのは申し訳ない、けども。