20191218

 

左耳にピアスを増やした。インダストリアルといわれるもので、棒が軟骨に開いた2つの穴に刺さっている状態である。

私にとってピアスは何か忘れたくないことがあったときに開けるもの/気合を入れたいときのもの であり、今回は先週行われたグループ展の終了を記念として増やした。

何かをやり遂げることが出来ないままずっと生きてきた。採点はボロクソだったが、展示で誰かに作品を見てもらう、感想を言ってもらう、ということが成し遂げられて、私の中では満足している。ご褒美みたいなものだ。

 

右耳の軟骨は、自分で夏に開けた。今付き合っている人とまだ付き合う前に、渋谷のホテルに泊まった次の日、ピアッサーで一発で開けた。

とてもその日は楽しかった。ふたりで知育菓子をつくってケラケラ笑った覚えがある。

 

初めてピアスを開けたのは高校1年の冬、3年前になる。学校はピアスが禁止されていたから、バレない位置だろうと右耳の耳たぶの上の方に、寮の部屋でひとりで開けた。ジンジンして痛かったが、とても嬉しくて、仲がいい数人だけにこっそり見せて笑った。その1週間後に転学先の高校の面接があったので、結局ピアスホールは数日で閉じてしまった。

 

だけどやっぱりその位置に思い入れがあったから、去年の冬にもう一度開けなおした。昔の記憶が鮮明に思い出された。

 

高3の夏に初めて、いわゆる真っ当な?位置、いわゆるロブ(耳たぶ)を両方開けた。転学先の方がもっとピアスに厳しかったが、どうしても開けたくて、友達と一緒にクレアーズでピアッサーを買って、笑って走りながら多目的トイレで開けあいっこをした。友達はもともと耳たぶに2つずつ開いていたので、3つ目を私が開けた。

 

わたしにとってミューズのような存在の女の子は「嫌なことがあるたびにピアスを開ける」と雑誌で語っていた。その子の耳には数えきれないほどの穴が開いていて、銀色にぴかぴか光っている。

 

わたしの左耳はまだ麻酔が解けないままで、これからじんじんと痛くなっていくだろう。そのたびにわたしは、あの展示の空間のことを思い出すんだろう。